律梓「大好き」.txt【未完】


それは唯先輩のひとことから始まった。

唯「ねえあずにゃん。わたし赤ちゃん欲しい」

梓「はあ」

律「……あー、ムギ。私お茶のおかわりプリーズ」

梓「飲み過ぎじゃないですか? いいかげん練習始めましょうよ」

澪「そうだぞ」

律「そういうお前らだって飲んでるじゃーん」

唯「って、うほぉーい!?」

律「どうした、唯。急に猿みたいな声出して」

唯「もー、なんで皆無視すんの!あずにゃーん、私赤ちゃん欲しいー!」

梓「……あ、ムギ先輩。やっぱり私もお茶ください」

澪「私もー……」

唯「ひどいよ皆!」

律「関わりたくないから無視してるのを察してくれ」

紬「ううん!私はすっごく興味あるわ、その話題に!」

唯「おおっ。私の味方はムギちゃんだけだよ!」

律「チッ……ムギめ、余計なことを」
<>

紬「それで、赤ちゃんが欲しいって誰の赤ちゃんが欲しいの!?」フンスフンス

律「ムギ落ち着け」

澪「怖い」

唯「へ?誰のって、私のに決まってるじゃーん」ケラケラ

紬「いえ、そういうことじゃなくって?」

唯「ほえ?」

梓「唯先輩まさか、わかってないんじゃ……」

律「あー、唯。赤ちゃんってどうやって出来るか知ってるか?」

唯「一年間いい子にしてたら鶴が北国から運んで来てくれるんでしょ?」

梓「色々間違ってる!」
<>

唯「えー?間違ってないよー」

律「いいか唯。赤ちゃんはサンタさんのプレゼントじゃないんだ」

梓「そうですよ……」

唯「二人して私を騙そうとしてない?」

律「むしろ私はお前がカマトトぶって騙そうとしてる気がしてならないんだが……」

唯「ねえ澪ちゃん」

澪「わ、私は赤ちゃんの作り方なんて知らないっ///」

唯「だから澪ちゃん、一年間いい子にしてたら渡り鳥がね」

律「だからそれはちがーう!」

紬「ねえ、唯ちゃん。梓ちゃんの赤ちゃんが欲しいの?それとも憂ちゃんの……」

律「ムギはちょっとお口チャックしてなさい」
<>

唯「じゃありっちゃんが知ってる方法はどうなのさー」

律「へ!?えっと、それはその……澪パス!」

澪「しらないしらないしらないしらない」

律「んじゃあ梓!後輩として唯に正しい知識を与えてやってくれ!」

梓「なんでですか!ここは先輩が率先してやるべきことでしょ」

律「あたし子どもだからしらないもーん」

梓「あっ、ずるい!汚い!流石律先輩きたない!……まあ体型はどう見ても子供みたいですけど」

律「お前が言うかそれ」

唯「あずにゃーん」

梓「知りませんっ///」

唯「ええ〜。さっきは知ってるぽかったのにぃ?」
<>

紬「唯ちゃん」ぽん

唯「ムギちゃんは知ってるの?」

紬「あのね、赤ちゃんというのは愛し合っている人同士がセッ」

澪「わっ、わっ、わっ///」

律「ばか、なんで止めるんだよ」

唯「セッ?」

澪「お前らなんて話をしてるんだよ!///」
<>

律「おやおやぁ。その様子じゃ澪ちゃん知っていらっしゃるんですかー?唯ちゃんに教えてさしあげたらいかがー?」

澪「ひいいぃぃ///」

梓「子どものいじめですか…」

紬「澪ちゃん、セックスよセックス!」

梓「ムギ先輩も興奮してセックスセックス連呼しないでください!」

紬「セックス」

梓「落ち着いて言わないでください」

唯「セックスってなあに?」

紬「セックスというのはね愛し合うファンタジスタたちのパワースポットが」

梓「冷静に説明しないでください///」

律「冷静か?」
<>

紬「いい?唯ちゃん、全部説明するからちゃんと聴くのよ?」

唯「はい!ムギ先生!」

紬「アレがこうでナニナニがチョメチョメで」

唯「えっ」

紬「さらにソレがああなってシカジカがカクカク」

唯「ふええ///」


梓「す、すごい。全部伏字になってるのに話が通じてる」

澪「聴こえない聴こえない聴こえない」

律「澪も落ち着け」
<>


紬「と、いうわけなのよ」

唯「そ、そんなことが行われていたとは……この年まで知らなんだー…」

律澪「…///」

梓「冷静に考えたら私たちなんでこんな話してるんでしょうね//」

律「唯のせいだ。ムギのせいだ」

唯「でもうちのお父さんとお母さんはそんなことしてないよね?」

梓「したんですよ」

唯「えー、お母さんがそんなことするわけないよ!」

紬「そ、そうね。唯ちゃんと憂ちゃんは天使だからコウノトリが運んで来ててもおかしくないわよね……」

律「なに言ってんだ」
<>

澪「ムギはいいやつだけどたまに異常なことを言うよな」

律(たまに……?)

紬「さて、唯ちゃん。それで誰との子どもが欲しいの?梓ちゃん!?和ちゃん!?まさか私!?」

梓(私はいつまでこの先輩を尊敬し続けることができるのだろう)


唯「うーん、子どもの作り方は分かったけどさあ……でも」

紬「でも?」

唯「それだと女同士じゃできなくない?」

紬「!?な、なんですって……!」

梓「唯先輩がめずらしくまともなことを……」

澪「この場合ムギが異常すぎるだけだろ」
<>

紬「た、たしかに……女同士ではナニが足りないわ」

律「はい。というわけでこの話終了ー」

梓「練習しましょう。練習」

唯「ええ〜」

紬「いえ……でもES細胞が……」ブツブツ

澪「というかもし女同士で子どもが作れるとしても私たちに今この場で唯に何がしてやれるというんだ」

律「あらあら、ナニがしてやれるだなんて。澪ちゅわんったらー」

澪「そ、そういう意味じゃない!」

律「そういう意味ってー?どういう意味かしらー」

梓「だから子どもですか!いいから練習しましょうよ!」

紬「うーん……」ブツブツ
<>

紬「そうだ!!アレよ!アレがあるじゃない!!!」

澪「」ビクッ

梓「どうしたんです?ムギ先輩?」

紬「うーふーふ〜。とってもイイことを思い出したのよ〜」ニヨニヨ

梓(全然良いことに聴こえない……)

唯「なになに?ムギちゃんちの渡り鳥貸してくれるの?」

律「唯はもういいから黙ってろ〜」ガシッ

唯「むあ〜」

紬「それは明日になってからのお楽しみよ〜。それじゃ、私は準備があるからお先に帰るわ〜」ガチャ

梓「え、ちょ ちょっとムギ先輩!?」

紬「さようなら〜♪」バタン

梓「練習…」

澪「……」

律「…私たちも帰るか」

梓「けっきょくまた練習できなかったー……」ガックリ
<>

翌朝、音楽準備室

紬「フフフ……あとはここに唯梓と律澪を呼べば……」

紬「グッフッフ……想像するだに堪らないわあ〜。おっと、涎が垂れてしまったでござる。」

紬「フッフッフッフッフ……」

トンちゃん「……」ぷくぷく


……

梓「ムギ先輩に音楽準備室に呼ばれたけどなんだろう」

梓「なぜかあまり良い予感がしない……」

?「あっ、おーいあずにゃーん」

梓「唯先輩?」
<>

律「あっずにゃーん♪」ダキッ

梓「なんだ律先輩ですか」

律「なんだとはなんだ、なんだとは!」ブーブー

梓「唯先輩みたいなことしないでください。ていうか暑苦しいんで早く離れてください」

律「やーん、あずにゃんったらイケズー」

梓「なんですかそれ……それより、こんな時間にどうしたんですか?」

律「ムギからなんかメールが来てさ。重要な要件があるから澪と一緒に来てくれって」

梓「律先輩もですか?私も『唯ちゃんと一緒に来てね〜♪』って絵文字過剰のメールが」

律「澪は委員会の用事で行けないからって、しょうがないから私だけでもと……」

梓「唯先輩は?」

律「遅刻だ」

梓「あ〜」
<>

澪「それにしてもムギの用事ってなんだろう?」

梓「ひょっとして新しい曲ができたとか!」

澪「それでこんな朝早く呼ぶかなあ…」

梓「きっと今までにないようなすっごいやつなんですよ。それで早く聴かせたくて……」

澪「うーん」

律「正直どう思う?私は昨日のムギの様子を見ると、すっごくいやな予感がするんだが……」

澪「ムギに失礼だろ!」

梓(すみません、私も同じこと思ってたです……)


律「唯がいたら『今日はきっとムギちゃん、いつもよりすっごいお菓子もってきたんだよ!』とか絶妙の推理をしてくれるところなんだが」

梓「平和ですね」

澪「わ、わかった。さっき梓が言ったように、やっぱりムギは曲を作って来てくれたんだ!」

澪「そして『放課後ティータイムの作り出す音楽こそが私たちの子どもなんだ』と唯に諭し、大事な何かを気付かせるために……」

梓(メルヘン!)

律「ま、とにかく部室行ってみりゃわかるだろ」
<>

ガチャ

梓「失礼します」

律「いや部室だから。おーい、ムギー?っていないぞ」

澪「この机に置いてあるのなんだろう……」

律「新曲?」

澪「……」

梓「なにかの機械みたいですね」

澪「楽器かな」

律「澪さん、正直なところ、どう思います?」

澪「ぜんぜん楽器には見えない」

律「ですよねー!」
<>

律「この場に唯がいたらさしずめ」

律「『りっちゃん、これはきっとアイスを作る機械だと思うんだ〜』とか言ってくれるはずなんだけど」

梓「似てないですよ、それ」

律「愛しの唯先輩には似てなかったかしらー?」

梓「むっ……そんなんじゃないです!」ビシッ

律「きゃー、こわーい」クルクル

梓「待てー!」

澪「おいお前ら……」


ピーン

梓(あっ、シールドに足が……)コケッ

律「危ない!」グッ
<>

がっしゃーん!


澪「律!梓!?」

律「あてててて…大丈夫か梓?」

梓「すみません……こんなとこにギターのシールドが出しっぱなしになってるなんて……」

梓(って、律先輩、近い!)

律「怪我は?」

梓「だいじょっ…大丈夫です!大丈夫です!」

律「?」

澪「二人とも無事か?」

律「おう、私も平気ー」

梓「それより机の上の機械が今の拍子に……」

澪「ものの見事にめちゃくちゃになってる」

律「わーお」
<>

梓「どどど、どうしましょう。これってムギ先輩のですよね」

律「これを見たムギが切れたらー……」

澪「」ガクガクブルブル

律「とりあえず隠すんだ!隠せ隠せ!」

梓「は、はいっ」


がちゃ

紬「おまた〜♪」

律澪梓「」ドキィッ
<>

律「あ、あははははは、ムギー、おはよーう!」

紬「おはようりっちゃん。今日はみんなにとってもいいものをプレゼントしようと思って呼んだのよ〜」

梓「そ、そうなんですかー」

澪「」ガタガタ

紬「?……りっちゃんに梓ちゃん、どうしてさっきから桜木花道のディフェンスのような動きをしているの?」

律「急にストレッチがしたくなってな」フンフンフン

梓「そうです!べつに何も隠してなんていません!」フンフンフンフン

律(梓のあほ〜!)

紬「そう……?」
<>

紬「ところで唯ちゃんは?」

梓「唯先輩はまだ学校に来てないそうですよ〜」フンフンフン

紬「そうなの残念ね……唯ちゃんをよろこばせてあげたかったんだけど」シュン

梓「ええ!えへへへへ……」フンフンフン

紬「梓ちゃん、さっきからその動き疲れないの?」

梓「はい!私、運動大好きですから!」

紬「そうなの……?」



律「おい、澪!なんとかこの場を誤魔化すんだ!」コソコソ

澪「ええ!?なんで私が……」ヒソヒソ

律「いいから!頼む!」ヒソヒソ

澪「そ……それでムギ、とってもいいものってなんなんだ?」ガタガタ

律(それは今この場で一番触れたくないテーマだぞー!?)

紬「よくぞ聞いてくれました!きっとみんな度肝を抜かすわよ!」
<>

律「わ、わ〜……なんだろう」

紬「度肝を抜かすよ!」

律「その台詞使ってみたかっただけ?」

紬「それはなんと!父の会社の試作品で……」

ガタガタ

梓「?」

紬「赤ちゃんを作る機械です!」

おぎゃあ!おぎゃあ!

律澪梓「!!??」

紬「えっ?」
<>

律「梓、いま何か言った?」

梓「言ってませんよ……」

律「澪?」

澪「」ブルブル

紬「ねえ、今なにか赤ちゃん的な声が聴こえなかった?」

律「きのせいじゃないかな」

紬「そうかな……」

律澪梓「……」

「ばぶばぶ」

紬「いや、絶対に聞えてるわ!ばぶばぶって言ってる!」

澪「ばぶばぶ」

梓「!?」

紬「あっ、かわいい!じゃなくって!」

<>

……

紬「えええ!?触っちゃったの!?」

律「ごめんなさい!!悪気はなかったんだ!!」

梓「すみません、ムギ先輩……」

澪「ばぶばぶ……」

律「おい」

梓「さわっちゃったというか壊しちゃって……」

紬「それはいいんだけど、と言うことは……」

赤ちゃん「あー、あー」チョコン

紬「この子はりっちゃんと梓ちゃんの子どもってことね」

赤ちゃん「だー?」
<>

梓「ちょっ…冗談じゃないです!」

律「そ、そうだ!」

紬「でも、そうとしか考えられないわ」

澪(赤ちゃんをつくる機械って……ムギのお父さんの会社ってどういう会社なんだろう)

紬「心なしか二人に似てるし」

赤ちゃん「うー」

梓「だいたい、女同士で子どもなんてできるわけないじゃないですか!というか産んでないです私!」

紬「この機械はね、さわった人の遺伝子情報を読みこんで(SF的説明を中略)なのよ!」

梓「そんなのめちゃくちゃです!」

赤ちゃん「うえ……あー!あー!あー!」

律「わっ、泣きだしたぞ!」

梓「あ、すみません……」
<>

紬「ひょっとしておなかが空いてるのかもしれないわ」

律「よし、澪。おっぱいくれ!」

澪「出るわけないだろっ///」

律「じゃあ梓は……無理か」

梓「当たり前なのに何故かいらっときますね」

紬「梓ちゃん、だめよ、ストレスは母乳の大敵よ」

梓「ムギ先輩は黙っててください!」
<>

赤ちゃん「うえー!うえー!」

梓「どうすれば……」

律「とりあえずあやせ、あやせ!」

梓「えっと……」

律「そんな抱き方じゃだめだ、ちょっと貸せ!…おー、よしよし」

赤ちゃん「ふえ……」

梓「律先輩、慣れてるんですね……」

律「弟の世話してたからな」

赤ちゃん「にへぇ」

律「あ、笑った」

梓「かわいい……」


紬「ふむ……ほんとは唯梓、律澪のこどもを作ろうと思ったんだけど、律梓もなかなか……」

律「よし、今のうちにその忌々しいマッシーンを徹底的に破壊しようか」

澪「うん」

梓「ですね」

紬「ああん!」
<>

澪「ていうかそろそろ授業始まるぞ。どうするんだ、この子」

梓「……」

律「梓、じゃんけんだ」サーイショハグー



2年1組

梓「負けたー!」

赤ちゃん「すやすや」


純「あずさー……どうしたのその子ども?産んだの?」

梓「産まないっ///」

憂「かわいいね〜!」

梓「実は親戚の子を預かっててさ……(ということにしておこう)」

憂「抱いてもいい!?」キラキラキラ

梓「そんな眼で見られたら断れないよ……そっとね」

憂「わああ……あったかーい!」

純「いいな〜」

梓「純はだめ」

純「なんで!?」

梓「だってようやく寝たところなんだもん。純に抱かせたら泣くに決まってるじゃん」

純「だからなんで!?」
<>

憂「わっ、指しゃぶってる〜///」

赤ちゃん「ちゅぱちゅぱ」

純「かわいい……!」キュンッ

梓「二人とも落ち着いて」

憂「はい、梓ちゃんありがとう」

純「ところで授業中どうするの、この子?」

梓「それは……お願い、憂!ちょっと協力して!」

憂「いいよー」

純「私は?」

梓「純は……変なことしないなら抱かせてあげる」

純「しないしない!」
<>

1時間目 数学

教師「ええー、今日は教科書56ページから……」

ザワザワ カワイー キャー 

教師「……どうした、中野。産んだのか?」

梓「いえ、親戚の子を預かってて……」

赤ちゃん「うー」

コッチミター! サワリターイ

教師「そうか……その歳で子を育てるのは大変だろうが、何かあったら相談に乗るぞ」

梓「私の子じゃないですよ!?」
<>


2時間目 英語

憂「えへへー」

赤ちゃん「ばぶー」

英語教師「平沢ー、産んだのか?」

憂「梓ちゃんの子なんです」

梓「誤解を招く言い方すんな!///」


3時間目 日本史

日本史教師「佐々木、産んだのか?」

純「鈴木です。梓が産みました」

梓「こら!」


4時間目 生物

生物教師「中野、いつ産んだんだ?」

梓「なんでここの教師全員こんなのなんだ」

赤ちゃん「むにゃむにゃ」
<>

……

梓「ようやく放課後だー……」

憂「ばいばーい。また明日ねー」

梓「うん……」

純「べろべろばー!」

梓「純……ばかなの?」

純「梓にしたんじゃないですー」

赤ちゃん「きゃっきゃ」
<>

律「おーっす。おつかれ、梓」

梓「律先輩……」

律「だいじょぶだったか?そいつ」

梓「だいじょぶじゃないですよ……寝かしつけてもすぐ起きるし、泣いたら泣きやまないし…恥ずかしかったです」

赤ちゃん「きゃー!」

梓「」ビクッ

律「貸してみ?私が抱くよ」

梓「あ、はい……」

律「よいしょっと……くー!階段きついなー!」

梓「ずっと私に押しつけてたんですから、そのぐらいしてもらいます」

律「ていうか、ひょっとしてこいつ、重くなってね?」

梓「え……?」
<>

音楽準備室

唯「うわああ、どしたのその子ー!!!」キラキラキラ

梓「…いちばんめんどくさい人を忘れてた」

紬「じつはカクカクしかじかというわけで」

唯「えー!あずにゃん、いいなー。私も赤ちゃん欲しかったー」

梓「よくないです!」

律「ゆい、赤ちゃんはおもちゃじゃないんやで……」

唯「抱いてもいい!?」キラキラキラ

梓「憂とおんなじ表情……」

律「そっとな?やさしくだぞ」

唯「大丈夫だよー。憂のお世話で慣れてるし。最近まで抱いてたもん」

律「え?年の差的に無理じゃないか?……え?最近まで?え?」

赤ちゃん「あうー」

唯「きゃわいーい!」キュルルルリーン
<>

唯「ねっ、この子の名前は?」

紬「あ、そういえば考えてなかったね」

唯「りっちゃんと梓ちゃんの子どもだから……りさちゃんだね!」

梓「勝手に決めないでください!ていうか私の子なんですか!?」

唯「ほえ?そうなんでしょ?りーさちゃーん」

赤ちゃん「きゃっきゃ」

唯「ほーら、やっぱりりさちゃんだ……」

りさ「」にぱー

律「既に名前の表記が『りさ』になっている!」
<>

唯「ほれ、お母さんもりさちゃんを抱っこしておやんなさい」

梓「お母さん言わないでください!」

りさ「……あー!あー!あー!」

澪「梓に抱かれた途端泣き始めた」

梓「あっ、あっ、あっ……泣かないで……」

唯「だめだよあずにゃん、そんな怖い顔してちゃ……」

梓「そんな怖い顔してないですー!」

律「梓、こっちパス。おーし、よしよし、もう怖くないよー」

唯「あっ、りっちゃんが抱いたら泣きやんだ」

律「うー、よしよし。いい子いい子」

りさ「ふへえ……きゃっきゃ」

梓「……」

梓「なんだろうこの寂しさ…………」
<>

澪「……」じーっ

唯「澪ちゃん、ひょっとしてさわりたいの?」

澪「私、抱き方わかんないし……怖いし」

唯「こわくないよ?」

澪「でも……」

唯「だいじょぶだよ!なんか澪ちゃんお母さんっぽいし」

澪「」ガーン

律「ん?澪、抱きたいの?ほれ」

澪「わっ」

りさ「?」じー

澪「目が合った!」

律「そりゃ合うだろうよ」

りさ「」にぱー

澪「か、かわいい……」

唯「ね!かわいいよねー!」

梓「……」いらいら

律「ひょっとして梓、嫉妬してる?」

梓「うっさいです!」
<>

紬「ねっ、ねえ!私も抱きたい!りっちゃん、いい?」うずうず

律「梓、いいか?」

梓「なんで私に聞くんですか」

澪「はい、ムギ」

紬「ふわあ……やわらかい」

りさ「うっ……うあー!」

紬「」

澪「さっきまで機嫌がよかったのに」

りさ「びゃあああー!」

紬「ど、どうして……」オロオロ

律「ムギ、パス!よーしよしよし、だいじょぶだぞー」

唯「きっと心に邪なものがあるとだめなんだよ」

紬「がーん!」

梓「」ガーン

澪「唯、何気にひどい」
<>

律「あれ、なかなか泣きやまない……」

りさ「うえー!うえー!うえー!」

唯「ほーれほれ、りさちゃーん、ケーキだよー、ギー太だよー、あずにゃんだよー」

梓「あずにゃんだよーってどういうことですか」

りさ「うぐっ……うぐ……」

律「ぐずったまんまだなー、よしよし、どうしたー?」

さわ子「ひょっとしておなかが空いてるんじゃなーい?」

律「なるほど!さわちゃん名推理!っていたのかよおい!」

さわ子「それよりこの子どうしたの?梓ちゃんが産んだの?」

梓「もうやだこの学校」
<>

唯「さわちゃん、赤ちゃんにおっぱいあげて!」

さわ子「出るわけないでしょ」

唯「えー、じゃあそのおっぱいはなんのためにあるの?」

さわ子「……」


梓「……」

私に胸があったらこの子にお乳をあげられるのに……

律「——そう悔やむ梓であったー」

梓「ぶちますよ」

紬「私、粉ミルクと哺乳瓶持ってきてるわ!はい、りっちゃん」

律「お、ムギさんきゅ」

りさ「んくんく」

紬「さっき泣いたのは私が悪かったんじゃないよね! ね!?」

梓「この状況の原因はムギ先輩ですけどね」
<>

澪「なあ……ところでさっきから、なんか変なにおいしないか?」

唯「におい?」

梓「言われてみれば……」

さわ子「炊きたてのお米のような」

律「……おい、まさか」

りさ「ふええ……」



紬「偶然部室におむつがあって助かったわー」

澪「偶然……?」
<>


律「ふー、ようやく落ち着いたー」

りさ「うー」スッキリ

さわ子「それにしても赤ちゃんを作る機械ねえ……世の中進んでるのねー。知らなかったわ」

紬「えへへー」

澪「私たちの誰ひとりとして知りませんでしたよ」

唯「さわちゃんの時代はセックスをして子どもを作ってたんだよね!」

さわ子「唯ちゃん/// めっ!」

梓「ていうか現代でもそうです」

唯「セックス!」

澪「唯、よせ」

紬「誰が唯ちゃんにそんな言葉を教えちゃったの!?」

澪「え……」

律「お前だ」

梓「ムギ先輩です」

唯「ムギちゃんだよ?」
<>

さわ子「で、その子どうするの?そろそろ下校時刻だけど」

梓「どうって……」

りさ「だーだー」

律「不本意とはいえ、こうして生まれちゃった命をほっとくわけにはいかないよな」

梓「え……」

唯「皆でりさちゃんのお世話できないかなー」

律「おいおい」

唯「交替交替でみんなの家に連れてくってのはどうかな」

紬「ミルクとかおむつは私がなんとかするわ!」

梓「……ちょ」

唯「ほんじゃー、じゃんけんで決めようか。じゃーんけーん」

梓「そんな勝手に……!」ポン


梓「勝っちゃった……」
<>


……


唯「じゃー、また明日ねー」

梓「また明日です」

唯「りさちゃんもまたねー」

りさ「だーだー」


律「……」

澪「律、どうした?」

律「悪い、澪!私ここで……」

澪「梓のとこか?」

律「ん」

澪「早く行ってこい」

律「ん。じゃな!」
<>

梓「はー……なんでこんなことに」

りさ「むにゃむにゃ」

梓「この子またちょっと重くなった気がする……」


律「おーい、あーずさー」タッタッタッタッ

梓「律先輩?」

りさ「きゃー」

律「ようやく追いつけた……はー、走ったら心臓いてえ」

梓「どうしたんです?」

律「私も手伝うよ。一人じゃ大変だろ」

梓「へ?」

律「いや、その子さ……ムギの説明だと、一応私と梓の子どもなんだろ」

梓「……私は認めてないですけどね」

りさ「うー?」

律「さっきも言ったけど、こうして生まれてきちゃった以上、私にもこの子の世話をする責任があるはず……だと思う」
<>

梓「……私の家まで来るんですか?」

律「ダメか?」

梓「まあ、正直言えば助かります……けど」

律「けど?」

梓「あえて言えば律先輩には自宅を知られたくないです」

律「あれ!?私って嫌われてる先輩な感じ!?」

梓「じゃ、行きましょうか」クルッ

律「あ……結局いいんかい」

梓「なにか?」
<>


律「ここが梓の家かー、おじゃましまーす」キョロキョロ

梓「じろじろ見ないでください」

律「そういや普通に泊るつもりで来ちゃったけど、家族とか大丈夫?」

梓「両親は留守です」

律「留守ですって……え?」

梓「仕事であんまり帰ってこないんです」

律「まさかこの広い家に一人で暮らしてんのか」

梓「そうですけど……ていうか泊るつもりなんですか!?」
<>

律「じゃないと世話できないじゃん」

梓「律先輩……私ひとりなんですよ」ハア

律「うん」

梓「女の子一人の家に泊まろうとするとか……あつかましいにもほどがあります」

律「なにか言い回しのニュアンスに不自然なものを感じるぞ」

梓「あらかじめ言っておきますけど変なことしないでくださいね」

律「しねえよ」

梓「こういう場合若い男の人の言うことは信用できないって先生が……」

律「女だ」
<>

梓「まあぶっちゃけ冗談ですけど、律先輩を家にあげて挙句泊らせるなんて抵抗があるのは本当です」

律「ぶっちゃけたなー」

梓「ぶっちゃけました」

律「そんなに律先輩が嫌か」

梓「ノリが苦手です」

律「……さいですか」

梓「さいです」

律「ていうか梓さっきから地味にきつくね?」
<>

梓「普段は猫かぶってるので……」

律「あずにゃんだけにか」

梓「イラつくんでそういうのやめてください」

律「はい」

梓「……」

律「なあ、私やっぱ帰った方がいい?そんないやなんなら……」

梓「絶対に泊めたくないってほど律先輩のこと嫌いじゃないのでこのまま留まってくれてても結構ですよ」

律「はあ……え?いた方がいいの?」

梓「ここにいろって言ってるんです」

律「わかんねえよ」
<>

……

律「というわけでりさちゃんを寝かしつけたのだが」

梓「これからどうしましょうか」

律「もしかしたらこれから持久戦になるかもしんないから、今のうちに休んどいた方がいいかもしれないぞ」

梓「?」

りさ「むにゃむにゃ」

律「……かわいいな」

梓「うー……たしかにかわいいですけど」

律「なー、ところでさあ」

梓「なんです?」

律「梓と私って、どっちが父親でどっちが母親なんだ?」

梓「」
<>

律「え?なにその表情」

梓「気分を害しました」

律「だって私たちの子どもなわけだろ」

梓「私は認めてないですってば」

律「まあ、そうだとしての話さ」

梓「……あえて言うなら、律先輩は母親って感じじゃないですけどね」

律「またなんか引っ掛かることを言うな」

梓「悪意です」

律「ひどくね?」

律「とすると、消去法で梓が母親ってわけ?」

梓「それもなんか嫌ですね……」
<>以上は投下済み0:30 2011/12/24
<>

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